第1回北海道歯科科技工技術研修会 および
第3回北海道障害者歯科技工士研修会

理事 佐々木 明美

 平成25年1月6日(日)13時より、社団法人北海道歯科技工士会館に於いて、平成24年度第1回北海道歯科技工技術研修会 第3回北海道障害者歯科技工士研修会が開催され、会員25名、未入会者1名を含め合計26名の参加者となりました。

講師は北海道歯科技術専門学校副校長で歯学博士、さらに日技認定講師でもある岩崎佳治先生をお迎えして、講演内容は『歯科技工材料を再考する』(基礎には基礎の大切さがある)でした。

講演は最初に現状理解として北海道の人口推移をあげられ、1995年に569万人のピークを迎え、それ以後は人口の減少が始まり、2012年には21万人が減少しており、2035年には110万人の減少が推測されています。

次に歯科医療の動向として、日本全体の人口動向の予測から、65歳以上の老年人口は今後50年間に亘り3,000万人を維持するものと予想されています。また、日本歯科医師会が展開している8020運動の達成率は平成23年度が38.3%で、厚生労働省は平成33年度には50%を目標にしています。さらに12歳児の齲蝕歯数は平成元年には3.4本であったものが、平成23年には2.1本に減少しました。このことから、今後は歯冠修復系の減少と、有床系・審美歯科・インプラント・矯正などの増加が起こることを予想された大変興味深いものでした。

最後に歯科技工士の役割として、日々多くの材料を駆使しています。材料に関しては歯科大学と同等の時間数の教育を受けているものとして、適切なアドバイスができるような知識を有して欲しいということから、材料に関するポイントを紹介されました。主なものとして石膏模型の面粗、ドライアウト現象やスラリーウォーターの活用、ワックスの凝固収縮、レーザー溶接時のアルゴンガスの重要性など、北海道歯科技術専門学校での歯科理工学実習の実験結果なども交えた、とても理解しやすい内容でした。

第1回 北海道歯科科技工技術研修会