第140回 北海道歯科技工学術研修会報告

札幌支部会 髙山 光

 平成26年1月18日(土)13時より札幌全日空ホテルにおいて、第140回北海道歯科技工学術研修会が開催され、会場は300名を超える参加受講者で席を埋め尽くしました。
講演Ⅰの講師である有限会社SDL 代表取締役 山口周行先生より「削る~咬合の実践的理解と多岐多様な症例への対応~」と題して講演していただきました。講演内容は模型から口腔内への適合、模型と口腔内の違い、顎運動と歯の形態、顎運動を表現する咬合器、千差万別な症例への対応、異常機能運動の理解などで、今回はそれら全体への理解の上に、多岐多様にわたる各久の症例にどう視点を向けたら良いかを中心にお話しいただきました。

講演Ⅱの講師である定山渓自然の村施設長 下川原清貴先生より「人をつなぐコミュニケーション」と題して、コミュニケーションとは話してと聴き手がそのプロセスを一緒に作っていく行為のことであり、どちらかの一方通行ではコミュニケーションは成り立ちません。心理学の分野では、「個性の原理」ということがあり、「一人ひとり、みんな違う」「みんな違って、みんなイイ」一人ひとりの感情や考えや要求は異なるため、正しく表現しない限り、お互いの違いは理解できません。「話さなくても分かり合える」というのは間違いであり、「わかった」とお互いが勝手に錯覚しているだけで、同じように生活していても、それぞれに違いはあり、その違いを認め合っていくことから人の関係は生まれます。それらを踏まえたコミュ二ケーションスキルについてお話しいただきました。

講演Ⅲの講師には札幌市保健所 医療政策課医務係 係長 平泉潤一先生と社団法人北海道歯科技工士会 常務理事 戸島和之先生から「歯科技工士法施工規則の一部を改正する省令の施行等について」と題して、平成24年10月2日に歯科技工士法施行規則が改正されて、平成25年4月1日から施行されており、指示書の記載事項が見直され追加されています。また、新たに歯科技工所の構造設備基準が策定されています。施行以前に開設された歯科技工所においても、法令の趣旨を理解いしより良い環境整備に努めるとともに、さらなる歯科医療に対する協力と、あわせて歯科技工法に定められた届出事項等についても再確認のお願いがありました。

大寒も近く足元の悪い中、北海道中から多くの歯科医師、歯科技工士、歯科技工士学校学生の参加者にお集まりいただいて、学術研修会は大盛況に終る事が出来ました。

最後になりましたが、今回ご協力していただきました皆様に心よりお礼申しあげます。