第63回北海道歯科技工学術大会

 

【日 時】 平成30年10月13日(土)  13:00~18:00(受付12:30~)
【場 所】 ホテルリソル函館
                    函館市若松町6-3 TEL:0138-23-9269
【参加費】 会員 1,000円  未入会 10,000円
【取得単位】自由研修課程4単位
【主 催】 公益社団法人北海道歯科技工士会

 

講演Ⅰ
 演題 「総義歯臨床 イメージを結果に繋げるラボワーク 」
 講師 松丸 悠一 先生(コンフォートデンタルクリニック)
 抄録
 その総義歯治療を成功させるにあたっては、全人的な高い技術が重要とされております。しかし、その一方で、ドグマ(独断的な説・主張・意見)が生じやすいといわれております。ここでわれわれ歯科医師・歯科技工士は客観性を欠く情報に振り回されやすい状況に注意し、その患者の健康と高い満足のために、術式に左右されない、ラボワークにおける診る目を養わな ければいけません。 ⦆ではどのように診る目を養うか?それは正しいイメージ持つこと、そしてそのイメージと目の前のラボワークを常に照らしあわせ、検証する作業を怠らないことによって養われるのでは ないでしょうか。そして持つべきイメージ、ここで私達は方向を間違ってはいけません。それは初診の患者さんが装着している旧義歯でもなければ、装着したばかりの新義歯でもなく、雑誌に載っている写真の義歯でも定かではありません。答えは口腔内で十分に機能している調整の終了した治療用義歯、本義歯にあります。今回は治療用義歯を応用した臨床症例のラボワークを徹底して実際の口腔内と関連付け、その注意点をお話させていだきます。明日からの義歯製作に活かせる、結果と信頼に繋がるイメージを持っていただけるよう努力いたします。
講演Ⅱ
 演題 「ペイント番長の3回焼成ステイン法 ~超基礎編~ 」
 講師 横田 浩史 先生(Signature Dental Lab)
 抄録
 機械化(歯科用CAD/CAM)や審美材料の進化に伴い、審美補綴物として長期にわたり成果をあげてきた陶材焼付鋳造冠(メタルボンド)から、プレスセラミックスやジルコニアの補綴物が潮流となりつつある昨今、従来の「カットバック&ビルドアップ」だけでなく「モノリシック&表面ステイン」も注目されてきている。従来、表面ステインといえば、完成後の色修正という補助的な役割を担っており、そのもの自体が大きく取り上げられることは少なかった。言うなれば、名脇役がいきなり主役に抜擢されたようなものである。表面ステイン法を奨励するメーカー各社は「簡単だ」「初心者でもできる」「効率が良い」など、合理的な部分のみを強調している一方で、術者からは「手抜きだ」「多色築盛には敵わない」「色が出せない」という声も聞こえ、表面ステイン法については賛否両論であろう。しかし、補綴物は色調、適合、咬合、破折をしない長期的良好な予後など、トータルで考えるべきであり、手法や審美のみで優劣をつけるべきではない。そもそもフレーム材(モノリシック材)に陶材(ステイン材)を焼き付けるわけであるから、広義に解釈すればステイン法も築盛法の手法のひとつであり「世界最薄の多色築盛法(マイクロレイヤー)」とも言えるだろう。つまり、表面ステイン法は築盛法の廉価版ではなく、ましてや敵でもライバルでもない のである。表面ステイン法は、①半透明(天然歯相当の透明度)で、②色の付いている(歯科用シェー ド色の範囲内)、③立体(歯冠や歯肉のカタチ)の、モノリシック材の表層に専用ステインで歯の特徴を表現するテクニックである。しかし、メーカー指定の専用ステインのみで色を再現しようとしても「透明感が出せない」「色が単調になる」「自然感がない」など、けっして簡単に色調再現出来るわけではないことは経験者なら知ることであろう。 成功の鍵は、ゴールの色を逆算で考え色彩していくテクニックだけではなく、前準備と焼成後の一手間にもある。そのためには色だけでなく、材料(モノリシック材、ステイン材)の特性、歯牙形態、咬合学など広範囲の知識が必要となる。3回焼成は、その名の通り焼成回数3回、ステイン層3層で完成させるペイント番長の基本テクニックであり、1回目:ベースカラーの調整。2回目:個性の表現。3回目:コーティン グ&質感の表現と、それぞれ焼成回数時には重要な役割がある(3回は基本であり、応用として焼成回数0回、1回、2回、3回、ステイン層0層、1層、2層、3層と症例に合わせ組み合わせることも可能である)。今回は、前歯、臼歯、歯肉部問わず、すべての補綴物を『3回焼成ステイン法』で完成させているペイント番長が、「色(明度、彩度、色相…)」、「光と反射と影」、「透明と透明感」 など、表面ステインを描くとき、モノリシック材料を選択をするとき、色を修正するときなどに必要な知識と日常臨床に沿ったテクニックをお話していきたい。

 

会員研究発表
・演 題 「カービング(歯型彫刻)によるトレーニングが
      CAD/CAM技工にもたらす効果~デジタル時代のアナログ技術~ 」
 発表者 清水 寛(有限会社テクニカルアンドアートサプライ )
・演 題 「快適なレーズ作業について」
 発表者 白井 正幸 (本通さとう歯科クリニック)
・演 題 「中切歯の形態について」
 発表者 南部 昌寛 (Labo Works Inc)
・演 題 「根拠ある技工 解剖学的ランドマークを
              基準にした歯科補綴装置の製作 」
 発表者 仁井 雅大 (株式会社札幌メディカルラボ)
・演 題 「インプラント治療における歯科技工士の役割」
 発表者 高山 宏一 (株式会社札幌デンタル・ラボラトリー)

 

リルソ