第144回北海道歯科技工学術研修会報告

 理事 濱本 範俊

 さる7月4日(土)ホテル三浦華園[滝川市]で第144回北海道歯科技工学術研修会が開催され、アロマテラピースクールGrasse 主宰 早川舞先生より『ビジネスに役立つアロマテラピー』、日本橋梶村歯科医院 理事長 梶村幸市先生より『CAD/CAMを用いた補てつ物の特徴と注意点』・『トップダウントリートメントの為の抜歯即時インプラント』のご講演をいただきました。

 早川舞先生からは、アロマショップに勤務され、お客さへのアドバイスや手作り化粧品の考案、スクール運営などの経験から、アロマテラピーの素晴らしさをご講演いただきました。

 近年アロマテラピーは、女性だけにとどまらず、ビジネス、スポーツの場や、子供への「香育」、病院や介護施設のケア方法の一つとしてなど、様々なシーンで注目されています。

 ストレス社会と言われる現代人のライフスタイルを、植物の力であるアロマテラピーによって、より豊かなものにできるのではないかと感じました。

 梶村幸市先生からは、急速に普及してきている、CAD/CAMによって製作された補綴物の特性や臨床操作方法などや、トップダウントリートメント(補綴主導型治療)を実現するためのインプラント治療などについてご講演いただきました。

 CAD/CAMによる補綴物は、クラウンブリッジ補綴だけにとどまらず、インプラント補綴の領域においても第一選択になってきています。その反面、ロストワックス法によって製作される、鋳造冠にはなかった脱落などのトラブルも散見します。このようなトラブルにならない為にも、補綴物の製作過程における違いなどを正しく理解し、正しい臨床操作を行うことの大切さを考えさせられました。

 また、インプラント治療においては、吸収した残存骨や顎堤形態、粘膜の厚みなどによりインプラントの埋入ポジションが制限されることが多く、結果として良好な審美性や清掃性を回復できないこともあります。シミレーションソフトの発展により、以前よりは診断がしやすくなっては来ていますが、いまだ十分ではありません。トップダウントリートメント(補綴主導型治療)を実現するためは、いかに術者の連携が大切であるかといううことと、我々歯科技工士の知識や技術が、治療の成功を大きく左右するのだということを強く感じました。

 最後になりましたが、今回ご協力していただきました皆様に心よりお礼申し上げます。