平成27年度札幌歯科技工学術研修会報告

札幌歯科技工士会 理事 小野寺秀樹

 平成28年1月16日(土)13:00~17:30まで「札幌全日空ホテル」にて札幌歯科技工学術研修会が開催されました。当日は、参加受講者は250名を超え、そのうち学生の方58名の参加がありフレッシュな中での研修会となりました。

講演Ⅰは、有限会社DELアーチ代表取締役-橋本誠先生により『小規模ラボこそ導入すべき!CAD/CAMシステムメリット~私の選択基準~』と題して御講演頂きました。小規模ラボにとってCAD/CAMシステムは、興味があってもなかなか手の出ない存在となっていると思いますが、しかし、その大きなメリットとして「作業時間の大幅短縮、高精度」を挙げていらっしゃいました。特に長いケースになるとその差は歴然です。これから導入される際は、必ず実際に触れてみる事が必須条件とのことでした。講演最後の、「機器が全てをやってくれると思いがちですが、今までアナログ技工で培ってきた知識や経験、技術がなければ、その性能は最大限には、発揮できない」とのお言葉が、印象的でした。

講演Ⅱは、Dental-Design-Days-戸田篤先生により『総義歯を設計していますか~知っておきたい臨床知識~』と題して御講演頂きました。総義歯製作においての基本中の基本から、その基本を極限にまで追究した内容で大変興味深い内容でした。私(筆者)は、様々な義歯製作の中で、上下総義歯製作が最も難しいと思っています。それは、他の補綴に比べ情報が少なく、自ら設計する部分が多いという点でしょうか。今回は普段何気なく行っている作業一つ一つに「なぜ?どうして?」の疑問を問いかけ、戸田先生の考え方を説明する流れで、学生の方々にも大変参考になったのではないでしょうか。「良い歯(義歯)が入ったときの患者様の笑顔を見る為に歯科技工士をやっています。」とのお言葉に感銘を受けたのは私だけではないでしょう。

最後になりますが、今回、御協力いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。

戸田 篤 先生

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橋本 誠 先生

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