平成27年度第1回北海道歯科技工技術研修会報告
理事 濱本 範俊
さる1月30日(土)札幌サンプラザ[札幌市]で平成27年度第1回北海道歯科技工技術研修会が開催され、北海道大学大学院 歯学研究科 口腔健康科学講座・高齢者歯科学教室 准教授 小林國彦先生より『超高齢社会と歯科』、plusM(プラスエム) 代表 長谷川久美子先生より『アンガーマネージメントで感情コントロール』怒り・イライラを整理する のご講演をいただきました。
小林國彦先生からは、歯科が超高齢社会にどのように関わっていくかについて、ご講演いただきました。
現在の日本は世界一の長寿国であり、老年人口割合は2015年5月の時点で26.4%となっています。21%以上を「超高齢社会」と定義していますが、世界で超高齢社会の国は他にイタリアとドイツしかないのが現状です。しかし、現実を見るとこの急速な高齢化の裏には少子化の問題もあり、これによって労働人口が減少し、年金や医療など、大きな問題が山積し、決して日本の未来が明るくないことは多くの国民の知るところです。
口から食べることは栄養状態、免疫機能、QOLなどの維持向上に役に立ち、噛み合わせがあることは運動機能に影響するとされています。また、口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防は寝たきりの防止に多いに効果があるとされています。超高齢社会の抱える問題を解決する手段の一つとして、健康寿命の延伸があります。そして、この健康寿命の延伸には歯科が大きく関与できると考えられます。
長谷川久美子先生からは、多くの人と接して得られたご経験から、「怒りの感情を配分すること」で様々なことが変化していくことについて、心理学の要素を加えながらのご講演をいただきました。
アンガーはangry、マネジメントは配分することです。あの時、怒らなければ良かったと後悔したり、あの時、我慢せず怒れば良かったと後悔したり、私たちは日々この繰り返しでストレスを溜めています。アンガーマネジメントは怒らなくなることではなく、怒ることと、怒らなくても良いこととを区別することです。怒りの感情を配分することで、ストレスを溜めることなく、日々健康的な生活を送れるようになると感じました。